2009/11/18

Spec

前の記事でも書きましたが
CAGE-LOWのアイテムは
主に40〜50年代のアメリカのWORK、MILITARYアイテムで
実際に存在した当時のデザインを変更する事無く、
シルエットの変更や素材のアレンジで構成されています。


シンプルなアイテムが多いので、
「リーズナブルで見た目が違わなければ問題ない」という方には
全く必要のない部分では有りますが
古着・VINTAGE復刻アイテムブームを経験し、
今でもその世界観が未だに好きな者にとっては外せない
拘りがいくつか有ります。


まず、縫製糸についてですが、
CAGE-LOWのアイテムはほぼ全てが
綿糸(カタン糸)と呼ばれる綿100%の糸で縫製されています。


綿糸には切れやすい、色落ちする、縮む等、
一般的にはデメリットされる要素が有りますが、
これは逆にVINTAGEファンにとっては
「諸刃の剣」的、大きな魅力でもあります。


CAGE-LOWの企画が持ち上がった段階で
生産効率の低下や、加工後に想定される不具合を考慮しても
綿糸での縫製は絶対的に譲れない部分でした。
このブランドの始まりは
まず様々なアイテムを生産するにあたり、
必要な綿糸のバリエーションを把握し
日頃からデリケートな綿糸を扱いになれた縫製場を探すところから
といっても過言では有りません。


何を熱く語っているんだという
突っ込みが有るかもしれませんが、
こちらの画像を見て頂けると一目瞭然ではないかと思います。

こちらは加工後とONE WASHとの比較画像ですが、
全く同じ糸で縫製されているとは思えない程の退色が見られます。
家庭での通常洗濯では、ここ迄顕著に違いを見る事は困難ですが、
生地のシャンブレーと同じ様に脱色されています。


シャツの縫製には30番手以上の少し細い縫製糸を使用しており、
アーム取付け部や、その他巻き縫いのチェーンステッチが
運針数を細かく設定する事により
洗い後に美しい表情と、見事なパッカリングを生み出します。

こちらの画像は、アーム取付けとサイドの巻縫い部分ですが
CAGE-LOWのシャツはアームホールが小さいので
→部分に1本ステッチが見えると思いますが、
一度折り伏せ縫いで補強したのち、チェーンステッチを更に入れています。


チェーンステッチでの縫製は
古いWORK・MILITARYアイテムには欠かせないディテールで
パープルの下糸と生地、上糸の組み合わせが非常に美しいです。
運針数の細かい設定には
切れやすい綿糸の密度を増やす事で強度を増す、
という要素も有る様です。


以上、長々と書きましたが、
普段、文章を読む事はあっても個人的なブログを書く機会も無いので
上手く表現出来きていませんが、
最後まで読んで頂いた方有り難うございます。


更新にかなりの期間が空いてしまいましたが、
もう少しペースをつめて行きたいと思いますので、
今後とも宜しくお願い致します。